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【ドイツ男一人旅物語】1話 フランクフルト
いやぁ、すごい天気がいいの~。
やっぱ、晴れ男だからな、俺は。
とあっぱれ気分のこの男、33歳、独身。身長は180センチ。
ちょっとセンチメンタルカンガルーなところもある憎めないやつだ。
と言っても、筆者自体あまり人を憎んだことはないんだけどね。
そうそう、名前は茂(しげる)。しげちゃんとでも呼んでいいかな?
いいっすよ。
本人の許可も出たので、しげちんと呼ぶことにしちゃうもんねー。
さて、しげちん。
普段はサラリーマンやってます。だいたい黒か紺のスーツでシャツは基本は白。
ここのところ、夏はネクタイはしないんだよね。
ワイシャツの下に下着のシャツを着ることもあるけど、最近のしげちんは、着ないようにしている。
なぜなら乳首が透けて、ワイルドさを醸し出したいお年頃だから。
そんなしげちん、見た目も悪くないし、仕事もスマートにこなすので、
モテモテかというと、まあ、普通な感じ。
しげちんは女性の目が垂れているのを見ると力が抜けてしまう病気をもっているが、
それは内緒にしているので、そこのあなたも絶対に口外しないようにお願い奉り候。
だいたいしげちん像が出来上がってきたころだと思うので、話を進めたい。
しげちんはなぜかドイツの街並みが好きで、一人でも行っちゃう。(このひとり上手!)
ということで、しげちんの夏休みはドイツ旅行です。
しげちんのおうちは都内のアソコなので、成田空港までは成田エクスプレスを利用するのが常だ。
やべぇ、アソコってどこだ!気になると思った、そこのあなた、いい顔してる!
そんな他愛もないことを我々が話している間に、みんなのしげちんは、
すでにルフトハンザ航空の旅客機に乗り込んでいた。
いつも、だいたい窓際に座る。
成田を昼前に離陸し、12時間以上かけてフランクフルトには現地の夕方に付く。
ということでこの日は非常に長い。しかも太い。
ひげちん、旅の興奮から飛行機の中ではあまり寝られない男である。映画を2本はしっかり見る。
今回は隣の席の人が、知らない普通の田原俊彦という人だった。
しげちんがひげちんになっていることを。髭が伸びたから、ひげちんに変換したんだと思った、君!
間違いです。筆者は意図せずそう打っていたのです。助けてください。
フランクフルト空港でパスポートコントロールを通過し、空港からフランクフルト中央駅までは10分。
いつの間にか夕方7時を過ぎて、暗くなり始めている。
フランクフルト中央駅の周辺は夜遅くなると、
昼間と違ってちょっと危険な雰囲気があるので、あまり夜遅く付かない方よいのである。
駅周辺には5つ星や4つ星のホテルがあるが、
しげちんは1泊60ユーロほどの3つ星ホテルのシングルルームをリザーブしていた。
部屋に入るとどっと疲れが押し寄せてきた。
日本時間だとすでに深夜を回っていたのだから、さすがのしげちんも眠くなるもんだよ。
だが、好奇心旺盛で後期ロマン派の流れを汲むしげちんとしては、
到着した1日目の夜しっかりドイツを味わいたいのである。
その気持ちは私もよくわかるので、ここは黙って見守ることにする。
しげちんは、荷物を整理して、30ユーロほどをポッケに詰め込んで、街に繰り出した。
実のことを言うと、この時点でかなり、しげちんはひげちんになっていた。
剃ってから時間が経っているから仕方ない。
だいたいしげちんは旅の途中はひげちんになっていることが多いことも、
この場を借りて伝えておきます。
さて、30ユーロで何を食らうのか?
当てられたら、あなたは本当にすごいと思いますよ。尊敬します。
ドイツは歴史的に移民をたくさん受け入れてきました。特にトルコ人の移民が多くいます。
ということで、しげちんは、フランクフルト中央駅から10分ほど歩いた、
トルコ人が店内にたくさんいるケバブ屋さんに入った。
einen döner mit allem, bitte! (全部入りのケバブを1つくださいな)
決まった!しげちんのドイツ語がケバブ屋トルコ人にしっかり届いた。6ユーロ(オイロ)。
6はドイツ語だとゼクスと言うが、往々にしてセクスに聞こえるから、
男ってもんはいつまで経っても子供なんだよ。
しかし、われらのしげたんは、そんなことを一切思っていなかった。
ただただ日本で食べるよりもかなり大きいケバブに食らいつきながら、
明日はどうするか考えるしげたんだった。
しげたんはホテルに帰る途中、日本の酔っぱらいのような男性に何か叫ばれたが、
ドイツ人はあまり酔わないので、おそらくドラッグでラリっている人と思われた。
それが夜のフランクフルト駅前というもんだ。
ホテルの部屋に戻ったしげてぃんは、全裸になりシャワーを浴びる。
引き締まったお尻と分厚い胸板がセクスィーなスゲティンになっていた。
旅の醍醐味は、全裸でベッドにはいることだと言ってましたよ、重さんが。
スゲティンもその夜はベッドで全裸を堪能したのであった。
(つづく)